ファッション・ハイブランドのロゴフォントについて
2022.2.15
この仕事を始めてから、視界に入るあらゆるもののフォントやデザインに惹かれます。
プロダクトやブランドにおいて普遍的であることは重要であると考えます。特にファッションハイブランドの領域においてブランドイメージを保つためには特に必要不可欠です。
有名ブランドのロゴは簡単にすぐ思い出すことができるほどシンプルなのにラグジュアリーなイメージを崩しません。
そこで今回は有名ブランドのロゴフォントを調べてみました。
【 CHANEL / Helvetica 】
https://www.chanel.com/jp/
全ての人にわかりやすく読みやすいシンプルな美しさを兼ね備えた、欧文フォントの定番中の定番Helvetica(ヘルベチカ)をシャネル風にアレンジしているようです。
【 LOUIS VUITTON / Futura 】
https://jp.louisvuitton.com/jpn-jp/homepage
正円と矩形の幾何学的な美しさで人気の高いFutura(フツラ/フーツラ)をルイ・ヴィトンは使用しています。カーニングを調整しているだけでほとんどFuturaのようです。
VやNが鋭角で高級ながらも抜け感があります。
【 BALENCIAGA / Gotham 】
https://www.balenciaga.com/ja-jp
典型的なアメリカンデザインとして有名なGotham(ゴッサム)を元に文字間や線幅を調整して作られているようです。フォントのコンセプト通り力強く印象に残りやすいです。
【 HERMES / Memphis・Gill Sans 】
https://www.hermes.com/jp/ja/
メインのHERMESは可読性に優れたスラブセリフ体のMemphis(メンフィス)、PARISはGill Sans(ギル・サン)で構成されているようです。
【 GUCCI / Optima 】
https://www.gucci.com/jp
ドイツのヘルマン・ツァップさんがイタリアの碑文からインスピレーションを受けて製作されたOptima(オプティマ)はサンセリフに分類されるものの、縦と横の幅が異なるためシンプルでありながらもエレガントな印象を持つフォントです。女性向けのファッション関係でよく見るフォントです。
【 ARMANI / Didot 】
https://www.armani.com/ja-jp
直線的な太いラインと極細のセリフがとても美しいモダン・ローマン体のDidot(ディド)を元に作られているようです。ファッション雑誌のVOGUEやHarper’s BAZAARもこのフォントを使用しているようです。
【 Dior / Nicolas Cochin 】
https://www.dior.com/ja_jp
こちらも同じく横幅がかなり細くエレガントな印象を持たせるモダン・ローマン体のNicolas Cochin(ニコラス・コシャン)を元に作られています。Dの文字のバランスがとても美しいです。
【 RALPH LAUREN / ITC Fenice 】
https://www.ralphlauren.co.jp/
ITC Fenice(アイティーシーフェニーチェ)をほとんどそのまま使用しているようです。文字間をゆったり取っていてとても上品です。
【 Vivienne Westwood / Raphael 】
https://www.viviennewestwood-tokyo.com/top/CSfTop.jsp
パンクの女王が立ち上げたブランドらしくとても個性的なRaphael(ラファエル)を使用してます。一目見たら忘れないですね。
近年ロゴを変更したブランドの例
【SAINT LAURENT】
旧ロゴ
新ロゴ
【BURBERRY】
旧ロゴ
新ロゴ
印象的なデザインフォントや高級感のあるセリフ体を使用していたブランドも2018年頃からロゴを変更しました。
その背景にはどうやらオンライン時代があるようです。確かにサンセリフ体とセリフ体を比べると視認性・可読性という点において分があるのはサンセリフ体ですし、時流を捉えて最先端を常に走らなければいけないファッション業界としては正しい気もしますが、馴染みのあるロゴだっただけに少し残念にも思います。
今回調べたのはほんの一部ですが、品があって美しいです。今後のデザイン製作の参考にしていきたいです。
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